「新江戸染」をまとう夏。 丸久商店とつくる、黒の浴衣
明治32年創業。日本橋堀留町で、手拭いや暖簾(のれん)、そして浴衣を扱い続けてきた注染製品の老舗・丸久商店。
近年は注染の生地を使ってシャツや日傘など、現代の暮らしに寄り添うアイテムも幅広く手がけられています。
今回kuros’では、黒の美しさをまとう、モノトーンの浴衣を二型仕立てていただきました。
静けさの中に芯のある黒。凛とした佇まいと、涼しげな抜け感。kuros’が大切にしてきた“黒“という感性を、夏の装いとして、とても素敵に形にしてくださいました。
今回は丸久商店5代目の斉藤美紗子さんにお話を伺いました。
Qまず初めに丸久商店の歴史について教えてください
明治32年創業、日本橋堀留町で小さく始まったのが丸久商店です。
もともとこの辺りは明治になって関西から近江商人が多くやってきた繊維の町。丸久商店も綿製品を中心に、手拭いや浴衣、暖簾(のれん)などを扱ってきました。
ずっと変わらないのは、必要とされる方にしっかり合うものをあつらえるということ。あくまでも裏方として、使う人の要望にきちんと応えるということを何より大切にしてきました。
Q丸久商店さんのホームページにある「新江戸染」という言葉が気になりました。「新江戸染」について詳しく教えてください。
技法の名前と間違えられることも多いのですが、実は屋号なんです。当時「江戸染」という名前を付けたかったのですが既に商標登録されていて、、、。じゃあ「新しい江戸」でいこうじゃないかという思い切りと勢いもあって「新江戸染」に。(笑)
でも今思えば、何にでも面白みを見出して挑戦していく、丸久らしい名前だったのかもしれません。
Q今回kurosとのコラボでお願いしたモノトーンの浴衣ですが、色合いや柄にどんな想いを込められたのかぜひ教えていただきたいです。
モノトーンの中でも、ユニセックス向けは少しマニッシュでこっくりとした色合いに、女性用は椿柄で少しやわらかい印象に。 ユニセックス向けの格子柄は、1930年代の洒落者たちが日常で着ていた柄で、当時人気があったデザインでした。
格子の線が少し揺らいでいる感じもあって、このデザインは今見てもどこか粋でかっこいいんです。 椿柄の浴衣は、白地に黒のグラデーションがスッと入っているデザイン。これは注染の手仕事ならではで、職人さんの手の動かし方で一枚一枚色の入り方が違います。その表情の違いをぜひ手に取って見て楽しんでいただけたらと思います。

左:椿 右:ゆらぎ格子
Q生地についても教えてください。
ユニセックスの浴衣に使ったのは「刷毛目茶(はけめちゃ)」という生地。白と茶の糸を交ぜて織っていて、よく見ると縦筋がうかぶような深みのある風合いです。茶糸のおかげで透けにくく、春先から秋口まで長く楽しんでいただけます。
椿柄の浴衣に使ったのは「乱紅梅(らんこうばい)」という生地。節のある生地で、肌にピタッと張りつかないのがいいところ。真夏はもちろん、初夏の暑い日におすすめです。また、椿の花言葉は「控えめな優しさ」「誇り」。そこに黒をきかせることで、艶やかで芯のある大人の美しさがより際立ちます。

職人の確かな手仕事。
纏うだけで少し背筋が伸びるような、この夏を彩るお気に入りの一着を。 ぜひお手に取ってみてください。
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