松下ラゲッジ kuros’のバッグができるまで VOL.2

豊岡市は兵庫県の北部に位置し、「鞄の街」として知られています。そこに拠点を置く松下ラゲッジは1940年創業の老舗鞄メーカー。

kuros’の機能性が高く、使い勝手の良いバッグはここでデザインから製造までを行っています。

今回は、kuros’のスタートから伴走してくださっている松下ラゲッジデザイナーの中西さんに、kuros’バイヤー 山本 がお話をお伺いしたいと思います。

中西さんはkuros’の塩縮ナイロンバッグシリーズについてどのように思いますか?

塩縮ナイロンバッグシリーズもちょっとしたお出かけや、ビジネス使いもできることからシリーズ買いしたくなると思いながらデザインをしました。

ブラックのカラーも相まってカジュアルからフォーマル、ビジネスにまで幅広く使えるものになっていると思います。

(山本)デザインから、試作、商品が完成するまでのスピード感がよく、こんなバッグが欲しかった!という形が出来上がったと思っています。

デザイナー、パタンナーが社内に在籍されているメリットを教えてください。

デザイナーとパタンナー、サンプル師が自社にいるので、デザインしたものがすぐにサンプルとして見ることができる点が最大のメリットです。

デザイナーだけですと机上の空論のようになってしまいやすいところを、サンプル師、パタンナーと意見をぶつけ合いながらスピーディーに形にしていくことができるんです。

(山本)そうですね。一貫しているからこそ、クイックにやり取りができて、実現したいことが形になるまでも早くて。

今回のバッグもすごくかっこいいデザインで仕上がったと思います。

 

今回の3型のデザイン特徴について教えてください。
また、今回の企画についてお話をさせていただいた際どのように感じましたか?

お話をいただいて、検討した生地の候補が何点かあったが、kuros’に見合うような黒の深さを気にかけて選びました。

今回のバッグの特徴である塩縮加工は薬品に生地を漬け込み、生地を収縮させる加工のこと。使用しているタフタという生地はこれだけだととても薄くツルッとしているのですが、この加工したことでラフで抜け感のある生地に仕上がりました。

(山本)そうですね!このなんともいえない生地感がかっこよくて。いつもこちらの要望を汲んで、提案をしてくれるので、中西さんとバッグのデザインを進めていくことが楽しくて。

今回のバッグの黒の色合いや表面の特徴についてもっと教えてほしいです!

今回のバッグは、塩縮ナイロンタフタという素材に、綿ボンディングを組み合わせています。 複数の生地を合わせて1つの生地にするのがボンディングという技術です。

今回の生地であるタフタと綿を組み合わせボンディングさせることによって薄いタフタ生地を強くすることができました。綿の量も、生地が重なり合う部分は少なくしたり、全体の見え方を調整したりと、シルエットにもこだわりました。

(山本)そのような細部の調整は、経験値からできることなのでしょうか?

そうですね。今まで行ってきた実績から、今回に合う綿の量を決めていきました。

(山本)今回のバッグもデイリーで使いたいデザインに仕上がっているかと思います。

日々の生活に寄り添うバッグにするためのこだわりを教えてください。

実際自分でも色々なバッグを購入して使っています。

例えば今回の綿ボンディングのショルダー、自分が使っていて思うところを考えて細部にポケットをつけつつ、ざっくり感は失わないようなデザインになるようにと、いろいろなバッグを実際に使っているからこそ機能性とデザインのちょうどいいところがわかるようになるのかなと思っています。

あとは、右利き、左利きを選ばないようなデザインになるように表裏がないバッグにしたりしているところもこだわりですかね。

(山本)使う人目線で考えているんですね。

私が使いたいデザインにしているんです笑

(山本)kuros’のスタートからあるメッセンジャーバッグも人気で、接客する時のトークに使えるポイントがたくさんあるんです!

>こちらの商品を見る

自分がイメージしたものが、中西さんにお願いすると、いつも期待以上に仕上げてきてくれますよね。

初回にデザインイメージをお渡ししてから、デッサンが上がってきた時点でかなりしっくりくるんです。修正があってもその後が早くてやりやすく、意見を汲んでくれるなぁって。

デザインを起こすとき、ブランドの世界観に合うようにイメージを汲んで、そこからプラスαで便利なポイントや特徴を加えています。

(山本)今西さんも中西さんのことをブランドの描いているイメージを汲む力がとてもあるデザイナーとおっしゃっていました。
バランスが良くて、世界観のキャッチが早いところが合うとも。
いつもありがとうございます!これからもよろしくお願いします!

最後に松下ラゲッジさん全体についての質問です。
今後の松下ラゲッジについて目標を教えてください。

様々なブランドのOEMで培ってきた提案力は他社より高いと思います。より要望に応えられるようにしていきたいですし、より機能の高いものを作っていきたいと思っています。

また、自社ブランドを立ち上げて4年が経過しました。持っているノウハウをブランドに添加して、より使いやすくて愛されるブランドにしていくことも目標です。 豊岡だけでなく、日本全体で鞄事業に従事する方が減ってきており、高齢化も進んでいます。

日本で鞄を作ることが難しくなってきている中、鞄の産地であり、職人が定着している豊岡は稀。微力ながらも日本の鞄産業を守っていきたいと思っていますし、国内生産の需要がある限りは雇用を生み出していきたいと思っています。

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塩縮ナイロン
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豊岡製
塩縮ナイロン
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豊岡製
塩縮ナイロン
ビッグトート
豊岡製