松下ラゲッジ 鞄の街豊岡で生まれる、細部までこだわり尽くしたバッグ VOL.1

豊岡市は兵庫県の北部に位置し、「鞄の街」として知られています。

そこに拠点を置く松下ラゲッジは1940年創業の老舗鞄メーカー。
kuros’の機能性が高く、使い勝手の良いバッグはここでデザインから製造までを行っています。

今回、kuros’バイヤー 山本 が、松下ラゲッジへお伺いし、製造方法やこだわりについて取材してきました!

まずはじめに、松下ラゲッジの歴史について教えてください。

松下ラゲッジ 営業 今西さん

1940年に創業し、現在3代目。松下商店という会社を豊岡で創業し、そこからバッグ作りをし現在に至ります。

現在のオフィスが、1970年代頃は総勢60人ほどの規模の縫製工場でした。 以前は型を抜く、縫製する、ポケットを付けるなどパーツごとの縫製を分業でそれぞれの工場で作業をし、1つのカバンに仕立ててくのが主流でした。

工場それぞれで機能が異なり、統一された品質を保てないことから、一貫して生産するための工場を豊岡で初めて造ったのが松下ラゲッジ。品質の高いバッグの製造が可能となり、人気を博しました。

そこから時代は移り変わり、1990年頃)、自社生産から中国生産にシフトしました。
海外製造といえど、品質が落ちないようにしっかりと指導を行いました。
工場によって得意なアイテムはちがうので、アイテムや時代の移り変わりによって生産工場を変え、品質向上へ調査や努力を怠らないよう取り組んでいます。

(山本) 80年以上の長い歴史の中で、様々な進化、時代の移り変わりがバッグの中でも大きくあるのですね。 

豊岡市はカバンの街と呼ばれているかと思います。
その理由、背景について教えてください。

豊岡市には円山川という一級河川があります。そこにコリヤナギという植物が自生していました。それを使い、たとえばおにぎりを入れるような籠を網細工で仕上げ、国内に販売するのが元々の豊岡の産業でした。

それ以降衣装入れなどに発展し、その籠に革のバンドをつけて長距離の移動や旅行に持ち運んでいた。そこから発展し、できたのが「バッグ」です。
革は姫路など皮をなめす産業を行う場所があったため革を取り入れやすかったと思われます。

時代は流れ、ナイロンやビニールレザーの開発から、より軽く性能の良いアイテムに進化していきました。

(山本)籠からバッグに進化していったのですね!
そこからバッグの一大産地となり、「豊岡鞄」というブランドにまで成り立っていったとは感慨深いです。

ところで豊岡鞄とはどのようなものを指すのでしょうか。

豊岡鞄とは、豊岡で作られた鞄の中でも、兵庫県鞄工業組合が定めた基準を満たす企業によって生産され、審査に合格した製品を「豊岡鞄」として認定しています。

地域ブランドとして認知を広めたい、豊岡のバッグ製造文化を認知を広めたいという意思のもと、設立されました。

松下ラゲッジはこの審査に出していませんが、豊岡で作られ、日本製の素材に限り使用するなど、様々な基準があり、審査に合格しないと豊岡鞄とは名乗れません。

(山本)一定の厳しい基準を通過したもののみに与えられる称号が「豊岡鞄」なのですね。

松下ラゲッジさんには、海外製品と国内製品どちらもあると思います。
その違いについて教えてください。

松下ラゲッジは海外と国内両方で生産を行っています。

昔は海外製品といえば安かろう、悪かろうというのが基本で大量生産するものというイメージが強かったと思いますが、現在技術は進化しています。
とはいえ国内製の見えないところの補強、芯材の使い方などキメ細やかさには勝てません。

国内製は職人と密で細やかなコミュニケーションが取れるので、良い関係性を築けていることからできる細かな技術、そしてしっかり手をかけることで出る温かみがあります。

例えるなら、海外製は工業作業に近く、国内製は日本の職人が仕上げる、職人技が光るアイテムになるというところでしょうか。

 

バッグはパーツが多いので、それぞれを断裁し、仕上げるのは洋服とはまた違う苦労がありますし、細かな作業が多くあるので国内外ともに協力会社の皆さんと手を取り合い進めていくこともいいバッグを仕上げる秘訣です。

(山本) どちらにも良さがあることがよくわかります!

ところで鞄の街の中での松下ラゲッジの立ち位置、
他社との違いってどのような点があるのでしょうか。

現在、同業は豊岡に数十社あります。
他の同業他社と違う点は生産が国内、海外にある点、そして社内にデザイナー、サンプル師がいて、企画開発に長けている点です。

デザイナー4名、サンプル師4名で企画開発を行っています。
パタンナーはサンプル師と兼業し、商品開発に日々従事しています。

(山本) そのスムーズな動きから商品企画が迅速かつ的確にできているのだと思います!感謝でいっぱいです。

後半はkuros’のスタートから伴走してくださっている松下ラゲッジデザイナーの中西さんにお話をお伺いしたいと思います。

乞うご期待!

続きの記事「松下ラゲッジ kuros’のバッグができるまで VOL.2」を読む

商品ラインナップ
塩縮ナイロン
ミニショルダー
豊岡製
塩縮ナイロン
ビッグショルダー
豊岡製
塩縮ナイロン
ビッグトート
豊岡製