「わたしと黒」VOL.5 工藤由布
「わたしと黒」
工藤由布
黒からイメージする洗練された極めて奥深くにある芯のあるもの。
そんな落ち着いたかっこよさという簡単にはなれない、届かないイメージ。
自分自身もなかなか選ばない色。
そして人から見てもぽくない色。
そんな黒もわたしが意思を持って選ぶことがある。
美容師という一見華やかな職業も
簡潔に言うと縁の下の力持ち。
お客様の綺麗、可愛いのベースを作るお手伝いと思っている。
つまりは黒子。
黒子との出会いは
昔テレビで次のシーンに行く時にセットを運び機敏に動く"黒い格好をした人"を見た時。
母にあの黒い人はなぁに?
と聞いたことがあるのを鮮明に覚えている。
興味があった。
みんなが次にスムーズにいけるように影で動くかっこいい人。
そして憧れもあった。
そんな私も黒子に徹する日がある。
結婚式のヘアメイクに入る日だ。
一生に一度のハレノヒ。
花婿さん、花嫁さんの1番外側に見える部分を作る日。
ヘアメイクを任されて入る時は
黒でまとめて髪もタイトにする。
目立たないという要素もあるが
私の中では1番気合が入る色。
なぜだか心も落ち着いて
スイッチが入る音がするくらいオンモードになる色。
そう、あの子供の頃見た影で動くかっこいい人のように。
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工藤 由布 YU-U プロフィール
フリーランス美容師
代官山のシェアサロンを拠点に活動
ヘアアレンジのスタイル提案が人気で、これまでにヘアアレンジ本を5冊出版。
Instagramでは毎日その日の気温や天気、コーディネートに合わせたアレンジを発信している。
またヘアアレンジに合わせたメイクの提案も人気
Instagram:https://www.instagram.com/nyan22u22nyan?utm_source=ig_web_button_share_sheet&igsh=ZDNlZDc0MzIxNw==